婆婆侦探团

新春の東京に名古屋弁が響き渡る。スカイツリーを見上げて嬌声をあげる騒がしい一団。　名古屋の下町で駄菓子屋「ことぶきや」を営むまつ尾（橋爪　功）をリーダーに、同じ町内の常（小松政夫）、かねよ（石倉三郎）、ハツ（佐藤Ｂ作）の４人組だ。あつかましく、図々しく、馴れ馴れしいその姿はまさに婆ちゃん軍団である。一行は正月休みに東京見物にやって来たのだ。スカイツリーを見ては名古屋のテレビ塔の方が“シャレとる”とけなし、浅草の仲見世をひやかし、おまけにひったくり犯（ノッチ）を捕まえて、東京を大いに楽しんだ。お宿は、ツアーを企画したかねよがタダ券をもらったからと、下町の健康ランド「パラダイス」へ。男のような婆ちゃん軍団は女湯に入り、その名の通り、楽園のような大温泉施設を満喫していたが…。「どえりゃあことが起こってまった！事件だがね！」なんと、広大な施設を探検していて他殺死体を発見してしまう。「パラダイス」のイケメン支配人・山田稔（田中幸太朗）によると、被害者は２４時間営業のこの施設に泊まり込んでいた常連のお婆さん。かねよたちは第１発見者だとお大騒ぎだが、まつ尾がそれ以上に驚いたのは、騒ぎに駆けつけた「パラダイス」所属の女医を見たときだった。それは、まつ尾が夫と死別後、泣く泣く婚家に置いてきた娘、絹江（斉藤慶子）だった！かねよは生き別れた娘との再会をためらうまつ尾に「会いたい気持ちを先延ばしにして、逃げとる時間はにゃあんだよ」と、元気なうちに実の娘との仲を修復するよう諭す。しかし、絹江からは今さら母でも娘でもない、と突き放され…。落胆を隠して名古屋へ帰るまつ尾。すると「ことぶきや」へ絹江の姑・ウメ子（冨士眞奈美）が怒鳴り込んでくる。家出した嫁の絹江を隠しているのじゃないかというのだ。だいたい名古屋人なんか気に入らないと息巻くウメ子とまつ尾たちが揉めていると、東京の警察から連絡が入る。なんとあのパラダイスで今度はハツが襲われたのだった！そして舞台は再び東京へ－「パラダイス」に泊まり込む高齢者を襲う、謎の連続殺人事件！警察へ連行される絹江！やがて、まつ尾にのびる魔の手！名古屋の婆ちゃん軍団に江戸っ子のウメ子も加わり、捜査開始！果たして事件の真相は！？そしてまつ尾と絹江は再び母娘の絆を取り戻せるのか！？ときに思慮深く、ときに図々しく、義理人情に涙し、世間に言いたい事を言う名古屋の婆ちゃん探偵団の行く末に待つものは…。